祝 一章完結!!とはいえ何かが変わるわけでも一章完結記念回があるわけでも今のところないです。気が向いたら二章一話の前に挟み込むかもしれないですけど。 次話から二章が始まるので引き続きよろしくお願いいたします。
魔素のままでも魔法使えたし大体同じって仮定しようかな。きっと詳しい検証は師匠とか師匠とかがしてくれるはず。 「ね?」 「ね?ってなんだよもう……。そこら辺の検証は僕の趣味だしやっておくけどさぁ。」 伝わったな。よし!僕は現場の人間だからね。なんかよくわかんないけどできた!でいいんだよ。自分なりに理解して再現出来ればもう十分。所謂オーバーテクノロジーを理論化して発表するのは学者の仕事なのだ。是非とも学者様方には頑張って頂きたいものだ。まぁできてもできなくても僕には関係ないんだけどね。あとのことなんて僕知〜らね。 人の本能的な欲求である「楽をしたい」という思い。人はより楽をするために試行錯誤を続けてきた。燃えてる必要性はあるの?とか魔素がエネルギーなら固めて投げたらダメージ入るんじゃね?とか魔素をそのまま使うこの方法なら魔法の行使の反動を踏め倒せるんじゃね?とかは一旦置いとく。 この手の特訓は生活に組み込むのが肝要って漫画で読んだからね。魔法で生活を便利にしていこうかな。あ!大事なこと忘れてた!魔素をそのまま使う魔法にかっこいい名前を付けてないじゃん! "それ"は複雑な過程を経ずにただ祈りによって理に干渉する始まりの魔法。かつては神の奇跡と崇められ、使い手たちはその圧倒的な力で国を作った。長い年月の中でその力の痕跡のほとんどは失われ、今では遺跡や手記に僅かに残されるのみ。そんな世界を変えた偉大なる始祖たちが使ったとされる"それ"は後の世で始祖魔法と呼ばれた。 もっとも、この場にそのことを知る者はいないため関係のないことだ。今、まだ。 「よし!魔素魔法って呼ぶ!」 ◇◇ 「君というイレギュラーがこの世界に生まれ落ち、始原魔法に出会ったのは偶然か必然か。どちらにせよ数年でアレの時期だし荒れそうだ。ま、死なないように頑張ってね?」 なかなか良い出会いをしたようだし大丈夫だとは思うけどイレギュラーとイレギュラーは引き合うからなぁ。母神ならわかるんだろうけど僕そういうの苦手だからなぁ。おっと、任されたからにはカッコよく〆ないとね。ごほんっ…… 「君の魂の輝きを見せてくれたまえ。僕は君を鑑賞……じゃなくて、君の行く末を見守らせてもらうよ。ミシェル君。いや、檜木 篭君。君はこの世界の███たりえるかな?」 あ、そうだ
ていうかそもそも魔素を魔力に変換とかほんとにいるの?あれでしょ?発電所とか変電所みたいな感じに使いやすくするみたいな。合ってるかなんて知らんけど(本日n回目)。魔力使ったら木が生えたり風吹いたり火がついたりするわけでしょ?前世の学者さんも涙目だよね。いや、ウッキウキで研究するかも。まぁ、それはいいとしてだ。 ものは試しだ。魔法はイメージ。だから詠唱は内に秘めた厨二心に身を任せる。この世の根源たる力よ。その力をもって我が前に火を灯せ。 「Fire.(ボソッ)」 なんか違う。難しく考えすぎたのか?ピカピカ光って熱もった球体ができたんだけども。いや、燃焼は熱と光を伴う酸化反応とは習ったけども。いや、酸化しとらんやろがい! 空気中の二酸化炭素から炭素をブチってちぎって、またギュッてくっつける!炎はできた。できたけどなんかこれじゃない感。魔法って思ってたんと違う。もっと詠唱してチュドーンって感じだと思ってた。でも所詮現実なんてそんなもんだよね。生徒会は校内の権力握ってないし屋上は閉鎖されてる。大学に進学したらキラキラのキャンパスライフが待ってると思ってたのにそんなものはなく、あるのは希薄な人間関係のみ。はぁ……期待した僕が馬鹿みたいだよ。 「……ル君!……シェル君!ミシェル君!」 「師匠どうしました?」 「今何したの?」 燃えろ〜ってしたら燃えました。としか言えないんだよなぁ。あれ?僕って母様と同じで言語化クソ下手なタイプ?嘘でしょ結構ショック。 「も、燃えろ〜って思ったら指先に火が灯ってました。」 申し訳程度に文字数増えたけど内容大して変わらねぇ……。 「魔臓は?僕の記憶が正しければ君はさっきまで魔臓作るのに手間取ってたよね?いつの間に魔臓作り終わってたの?そしてもう魔法発動できてるし……。初弟子なのに……魔臓できる瞬間見逃した……。」 「魔臓が全然作れなかったので気分転換に火よ出ろーって念じたら出ました。もしかしてこれってなんか悪影響あったりします?」 「たぶん……大丈夫?だと思うよ?」 たぶんとか言われると不安になるんだよぉ。師匠なんだから大丈夫とか自分がいるからどうとでもなるとか言ってくださいよ。 「自信なさげで情けないとか思ってるだろ!違うんだよ。一人(?)の学者としては検証をしてからじゃないと断言はできないんだ。今ま
「師匠!まずは何をすればいいですか!」 「好きにやってみればいいんじゃない?なんかあったら止めてあげるからさ。大丈夫大丈夫!僕いるから死にはしないし魔法が使えなくなるなんてことにもならないから。」 「わかりまし……た?」 師匠が外付け安全装置になってくれるみたいだしやってみたかったことを試していくか。魔素はちゃんと感知できるから魔臓作りに入れる。魔素の認識は動けなかった時にやった。第六感的なやつだし身体に影響ないからね。この仮説が当たってるかは知らんけど。 瞑想に集中しなくっちゃ。まず試すのは体外に魔臓を作ること。普通は身体の中に魔臓を作るみたいなんだけどね。俺は知っているのだ人体の構造を。だから想像ができないのだ。考えてみて欲しいんだけどさ、人の身体って割と臓器でミッチミチじゃん?そこに魔臓が入るスペースなんてあるわけがない。でもそういうもんだから存在をイメージしてください?無理だわ! もう少し頭が柔軟な地球人ならいけるのかもしれないけど僕には無理。体内に作るのが無理なら体の外に作っちゃおうというわけなのです!大は小を兼ねるって言うし体の中にあるイメージというスペースの制約もないことですし?作っちゃいましょうか!クソデカ魔臓! イメージとしては大規模なろ過装置かな?どうせ魔素なんて不思議エネルギー扱うんだ!メカニズムなんて二の次三の次だよ。なんかいい感じにより分けて魔力が出てくる!ふっ完璧なイメージだね!後は試行錯誤するだけ! ◇◇ 無理でした。なにがダメなのかもわからん。魔素と魔力ってなんだよ!意味わかんねぇよ!とりあえず参考にするために師匠に魔法撃ってもらうか。 「師匠師匠ー!魔法撃ってー!」 「なにか的になるものを用意してくれる?」 「ん?僕に向かって撃って欲しいんだけど……。あ!師匠の魔法で怪我とかしたら師匠も怒られちゃうかもしれないじゃん。痛くない程度の威力でお願いします!」 「君、よくバカとか言われない?」 「言われないですよ?神童神童って言われてるので。ていうか酷くないですか?人のことを急にバカ扱いして!僕だって怒りますからね!もう!ただ僕は魔法についての解決のきっかけを得るためにこの身で魔法を体感しようと思っただけなのに!」 これぐらい普通のことだよ。知ろうと思ったら自ら食らうのが一番手っ取り早い。剣の修練
「それじゃさっそく魔法の講義を始めようか。ミシェル君も早く魔法使いたいだろうしね。魔法についてどのくらい知ってる?」 そこら辺の予習は完璧だからね。余裕だよ。「純粋なエネルギーの魔素を魔臓に取り込んで魔力に変換し、理に干渉するものですかね。」「うん、それだけわかっていればひとまず問題はないね。あ、もしかして猿でもわかる魔法学って本読んだ?」「はい、読みました。すっごい分かりやすかったので!」「あれの著者の彼はこの国の魔法士の立場の低さにキレて学校どころか学園都市作ったんだよ。そこの卒業生が優秀でさ、上層部の老害どもが邪魔ばっかりするわけ。そのせいで彼の本は今準禁書扱いされちゃってさ〜。だから今はまだあんまり人に言わないようにね。君がそれらを跳ね返せるくらい強くなったら好きにすればいいけどね。」 力か……国の上層部をガン無視できるほどの力となるとどれだけの修練を積めばいいんだろう。ちょっと想像つかないな。でもまぁ僕って伸び代の塊みたいなもんだし問題ないよね。やればやるだけ成長できるんだもん。 それにしてもどこの世界も大きな組織の上層部はこんなもんか。老害が蔓延るのは人がいる限り変わらないんだろうね、悲しいけど。「あっという間に上層部なんて関係ないくらいの力を手に入れて師匠も超えてみせますよ!僕に不可能なんてないので!」 前世はすぐに頭打ちだったけど今は魔力っていう便利なものがある。やりたいことは全部やろう。魔力体作れるようになって役割分担すれば僕自身は引き込もれるし最高だよね。「そうだね、この世界はなんだってできる。そういう世界にしたって数千年前に神様も仰ってたことだしね。でも僕らを超えるとなると生半可な修練じゃ無理だよ?なんせ君は世界最強の一角にのやる気に火を付けちゃったんだから。君はヴェルムートより速いスピードで強くならなきゃいけないんだよ。そこら辺ちゃんとわかってるのかい?」「当然!余裕だね!任せといてよ!」「ふふっ……どうだか。」 笑ってられるのも今のうちだよ!みんなが引くほど強くなってやるんだからね!目指せ最強!男の子だもん!目指すならてっぺんだよね!
ヴェルムートさんは晴れやかな顔をしてどこかに歩いていってしま……わないよ!だめだよ!危ない危ないその場の雰囲気に流されて見送るところだった。ヴェルムートさんには魔力操作の訓練に付き合ってもらわないと。さすがに母様に習うのは怖すぎるからね。 「ヴェルムートさん!初心を思い出すのも高みを目指して修練に意欲を見せるのも勝手なんですけど、僕の魔力操作の修行に付き合ってからにしてくれません?基礎だけ教えてくれたら後は母様の擬音を解読したり自分なりに試したりして頑張るので。」 「いや、そこは空気を読んでだなぁ……。」 「黙っててください父様。ヴェルムートさん、一週間でいいのでお願いします。」 「わかった。元々ここへはそのために来たからな。先にやるべきことを終わらせるとするかの。秘技 魔力体生成。それではな、俺は塔に戻って新たな魔法の研究をする。その魔力体も俺ほどじゃあないがそれなりに強い。俺と同程度の知識とある程度の自我も持たせてあるから修行相手にはちょうどいいだろう。魔力体経由で俺と通信もできる。上手く使え。」 それだけ言うとヴェルムートさんは地面に魔力で魔法陣を書いて消えた。たぶん転移だよね。僕にもできるかなぁ。 ◇◇ 「ヴェルムートは黒の塔に行ったことだし自己紹介といこうか。僕は彼の魔力体で君の師匠だ。ミシェル君、厳しい修練になるとは思うけどこれからよろしくね。」 厳しい修練?望むところだ!僕は一秒でも家にいるための努力は惜しまないからね。それに漫画に小説と嗜んでいた身としては魔法はちょっと憧れてたからね!一流の師匠が付くんだ。やってやろうじゃないの! 「こちらこそよろしくお願いします。」 「あ、そうだ。僕は生まれたてだから適当に名前を付けてくれると僕としては嬉しいかな?」 「え?僕でいいの?」 自慢じゃないけど僕のネーミングセンスって微妙だよ? 「君がいいんだ。ヴェルムートは名前を付けるのを面倒くさがっていてね。識別記号でしか呼ばないんだ。ちなみに僕の識別記号はMI-1。ミシェル君の師匠だからミシェル君のMI。君の師匠になるために生み出された一人目の魔力体だから1。だから出来れば名前を考えて欲しいんだよね。」 ヴェルムートさんの名付けはなんていうか機械的だなぁ。ゲームのプレイヤー名とか「あ
「ふはははははっ!ギャフンと言わせられたぜ!降参降さーん!みゃーーーー!だってよ!しかも威厳たっぷりの老魔法士への変化解けてやんのー!やっばいまじでおもしれぇ!いくらエルフは耳が弱いって言っても弱すぎんだろ!」 父様がイメージ崩壊するレベル勝ち誇っててウケる。ヴェルムートさんが耳を真っ赤にしてうつ伏せなってる。顔隠してるつもりなんだろうけど真っ赤な耳のせいで意味がないって言うね。ていうか縮んでない?縮んでるよねぇ?え?エルフって耳がそんなに弱いの?いやだって熟練の魔法士がその制御ミスるってよっぽどだよ?しかも普段から使い続けてる魔法となれば……耳弱すぎない?「もうヤダ俺こんな姿晒して生きていけない。もういっそ殺してくれ……。」「動揺し過ぎて一人称まで変わってやがる!やっべ面白!ミシェルに尊敬されたくて猫被ってたのに台無しだなぁヴェル爺!アハハハハハッ!おっもしれー!」「大丈夫ですヴェルムートさん。最初のボケを見た瞬間から威厳なんてなかったですし、人格面にも期待していませんから!安心してください!僕はあなたの魔法の知識と技量"だけ"は尊敬していますから!」 よし、これでヴェルムートさんへのフォローは完璧だね!これで落ち込んで僕に魔法教えないで帰っちゃったら困るからね。これで思う存分ヴェルムートさんの知識と経験を搾り取れるぞ!「そ、そうだよね。俺はもう魔法しかないんだよな。みんな大賢者様大賢者様って褒めてくれてたけど俺が使える駒だったから褒めたたえて気分が良いようにしてくれてただけだよな。なのに俺はそんなお世辞にも気付かないで一人有頂天になって調子に乗って……ほんとに俺ってしょうもない男だよ。人と違って時間がいっぱいあるんだからそりゃ知識は増えるし技量も上がるわな。それなのに下に見て、油断して、舐めプして、情けない声を出して負けた。」「なんだこいつめんどくせぇな。」「おい!ミシェル!声!声!」「ん?あ、声に出てました?すいませんヴェルムートさん。そんな落ち込まなくても良いじゃないですか。ヴェルムートさんは今でも凄い魔法士なんですから。それにヴェルムートさんの人生まだまだこれからなんですから!今気付けて良かったと思ってまた上を目指せば良いじゃないですか!」「そ、そうだな。君のようなまだ生まれて間もない者に諭されるとは我ながら情けないものだ。よし、俺は